『魅は与によって生じ求によって滅す』

せいじつ会計

2010年04月22日 02:27



こんばんは。
鏡でございますm(__)m


今再読中の本より抜き出した言葉です。

無能唱元氏著『人蕩し術』(ひとたらしじゅつ)を毎日少しずつですが読んでおります。

『魅は与によって生じ求によって滅す』


とは、「あなたが他人に何か与えれば、あなたに“魅きつける力”は生じ、あなたが他人から何かを取ろうとすれば、その力は即座に消えてしまう」ということだそうです。


見た目の魅力や才能などの魅力といろいろと魅力と感じる要素はあります。
では、そのような容姿や才能などがないと、人は本当に魅力がないのでしょうか?

この本では、冒頭、そのことをはっきりと今日のタイトルの言葉で言い切ってます。

それらの要素はほんの一部分としての要素であり、その証拠に、お金持ちでも人気のない人がいるし、逆に何のとりえもなく風采の上がらない男性でも、奇妙に女性に人気のある人もいるからだと唱元氏は言ってます。では、誠実で人格の優れた人は魅力的なのか?これも、一部分であり、人間として立派であっても孤独な人は数多くいるとも言っています。(尊敬と魅力は別物であることを示している)

では、魅力とは一体何者なのか?
そして、どうすればそれを身につけられるのか?


その答えが、今日のタイトルの言葉
『魅は与によって生じ求によって滅す』です。


そうです。
魅力的な人になるためには、『与えればよい』のです。


なんか、拍子抜けするようですが・・・。
『与えればよい』という至極単純な答えでは・・・。

結構、真剣に「魅力的な人間になりたい」と思っていろいろと努力したりって・・・ありますよね・・・。
いろんな努力をしているのに・・・。
その中の一つ、ダイエットもそうですよね(^_^;)

それを、「与えればよい」だなんて・・・・。

このことを知ってか知らずか、「物を与える」天才ぶりを発揮したのは、皆さんもよくご存知の豊臣秀吉なんだそうです。

例えば、毛利との戦で、毛利方の高松城を水攻めにする際、途方もない土木工事を短期間に進めるために、百姓町人の欲を刺激して、土俵一俵運んでくれば銭百文と米一升を与えるという夢のような条件を出したそうです。
その結果、こんなおいしい話はないと発狂同然になって子供や老婆までも土俵をかつぎだし、たった12日で大堤防を完成させました。

また、戦で功のあった者に対する恩賞のやり方も、現代ビジネス社会でもあてはまると唱元氏は言っています。
恩賞に不公平があれば、不平不満で士気がゆるみ組織が乱れます。秀吉は恩賞はできるだけ戦が終わったその場で行うようにし、とくにめざましい戦功に対しては合戦の最中でさえ部下を走らせて、その場で行賞しました。
そして、多くの場合は金銀をつかんでその場で渡すため、戦場にはいつも金銀がいっぱい詰まった行李を運んだそうです。



これらのことからもわかるように、『物を与える』ということは、その人に魅力を発揮させる最も原型的なその例だそうです。

この「物」は、ときどき「お金」に変わったりします。
また、「形のないもの」(愛、笑顔、思いやりなど・・・)に変わったりもします。


さて、その『何らかのもの』を受け取る側にとっては、『5つの本能的衝動』のいずれかを充足してもらったために、与えてくれた相手に対し魅力を感じるのだそうです。

『5つの本能的衝動』とは、
①生存本能
②群居衝動
③自己重要感
④性欲
⑤好奇心
です。


中でも①の生存本能(「飢えへの恐怖」がその根底にはある)は、人間のみならず、あらゆる生命が生きていくための最も原初的、かつ最も強大な本能なのだそうです。

ということは逆を考えると・・・、つまり①の生存本能を脅かされるようなことがあれば、それは魅力がなくなるどころか、相手との距離を大きく遠ざけるものになってしまうということになりますね。


繰り返しになりますが、魅力が生ずるか否かは、正に他人に対し、5つの本能的衝動の内いずれかを充足させるものを「与えたかどうか」にかかってくるということですね。

与え続けることはある意味大変でもありますが・・・。


さてさて、長くなりましたが、いかがでしょうか?
何かを与えていますか?


求すれば滅するわけです。


例えば、リストラなんかが一番わかり易いですよね。
従業員の給与を一部カットしたりして、コスト削減を図りますよね。社長は会社のために苦渋の決断を持って臨んだのかもしれませんが、①の生存本能にモロに刺激がいってしまいますよね。
①の生存本能の根底は『飢えへの恐怖』です。
つまり、食っていけるか(生活できるか)という漠然とした不安を一層かりたてることをやっていることになりますよね。→魅力が即座に滅するわけです→士気が下がる→社員がまとまらない→組織としての成果があがらない→経営が更に悪化する


と負のスパイラルに入ってしまうかもしれません(>_<)


人をまとめていく立場にあるもの、経営者、経営幹部の方は、何らかのものを常に与え続けていく必要がありそうです。


与えないで、求めてばかりいてもいけないですね。


また、営業でもコレってあてはまるのかなと思います。
お客様にまず「与える」。
これを、お客様から「契約」をいただこう(求めよう)とすると、即座に滅するわけですね(>_<)


何かを組織的に成し遂げたり、相手を動かすためなどにもこの『魅は与によって生じ求によって滅す』があてはまるのでは・・・と思います。


まだ、この本の1/4程度しか読み終わってませんが、また良い言葉がありましたらご紹介します。









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