利益は出ていても・・・・。

せいじつ会計

2011年08月03日 11:14






おはようございます。鏡でございますm(__)m




長引く不況の中、単年度黒字を出していくことはとても大変なことです。


が、その黒字を追っていくと、果たして素直に喜んでいいやら・・・・ということがあります。






前期と比較してみるとすぐにいろんな事が見えてきます。



利益が出る=①収益が増えたため ②経費が減ったため


があります。



で、②の場合は、素直に喜べません。


よくあるのが、リストラをし、人を切ってコスト削減をして(経費を減して)利益を確保するという方法です。また、給与カットして利益を確保することも同様です。


確かに、利益は出ます。
が、戦力が減ったことには間違いありません。社員の士気に影響があったことは間違いありません。


こういうことは、すぐに直接的に数字に出てきません。(だから厄介なのです)





トランプに例えれば、一つの切り札を使ったわけです。
1回目、初めて切り札を使った時の効果はあるかもしれませんが、次からは同じ手は使えません。
来期はどうやって利益を確保するのか・・・・・。




根本的な解決策であるのか・・・・ということです。
○か×かは、その後の結果を長期的に見て行かないとわかりません。
その時の数字だけで判断はできません。






また、利益が確実なる安心に変わっているかも必ずみます。


確実なる安心=キャッシュです。






利益が出ていても、それが受取手形や売掛金に変わっていたら、それは『リスク』を増やした利益の確保の仕方です。




利益が現金に変わるまでは油断は絶対に禁物!!




手形取引が増えてきていないか、手形サイトが長くなってきていないか、売掛の回収遅れがでてきていないかをすぐさま確認する必要があります!!


例えば、当月末〆翌々月末入金先が手形取引である場合。


7月末〆8月頭⇒7月分取引の請求書発送(売掛金の発生)

(2ケ月後)
9月末⇒手形回収(売掛金の回収) *4ケ月サイトの手形回収(手形期日1/31)

(4ケ月後)
1月末⇒手形取り立て⇒現金化



と、実に6ケ月間も資金が回収できません。


なのに、この売上にかかった材料等の支払いは、例えば末〆翌々月末払いであった場合、
お金が入ってこないのに、先に支払いをしなくてはなりません。


こういうことが増えていくと、資金繰りがどんどん大変になってくるのは明白!




でも、意外と多いんですよ!

事務員さんに任せっぱなし状態、奥様に任せっぱなし状態の会社では・・・・。




売上が前期よりも伸びた!!
と喜ぶ前に、どんな具合に伸びたのかをチェックする必要がありますよ!!




『リスク』には、“損”しかうまないもの、“利益も生むが、損も生む”ものがあります。
その後者を取りにいくことも経営の一つではあるのですが、必ず、両方を意識して忘れないということが大切ではないかと思います。
両方とは、利益と損のことです。



利益にならなかったら損になる



何と恐ろしい言葉でしょうか・・・・





でも、現実のお話です。




現金になるまでは油断禁物!!





社内の合言葉にしたいくらいです(^_^;)






また、現預金残高が前期にくらべどれだけ増えているでしょうか?



利益が出た!というのに、現預金残が減っている!?


どういうこと!?




そうなんです。

是非、そこもこういう気持ちで確認をしていただきたいです。






また、前期に比べ、借入金の残高(短期+長期)が減っているでしょうか?




毎月返済しているのに・・・・・。



え!!
減っていない!!

増えている!!

しかも、長期より短期が増えている!!



ってことないですか?




長期借入ができるということは、銀行さんが長期間お付き合いしながら返済してもらおうと思っているからできるんです。つまり、信用していただいているからできることなんです。


それが、長期借入金は毎月返済しているのに、新規に借り入れしたものは短期の手形貸付だったとしたら。



それは、できるだけ早く、その都度回収したいと銀行さんから思われているということになります。
つまり、長くお付き合いするのではなく、“その都度お付き合い”へと変わっていっているということは、銀行さんからの信用度が低下しているということになります。


今後の資金調達にものすごく不安を感じることです。




利益が出ている


のに


借入が増えている


のに



現預金残が減っている





とは、





どういうこと!?





そうなんです。正に、どういうこと!?なんです。





損益計算書ではありません。

これからは、貸借対照表が重要視されるし、評価されていくのです。




そこまで経営者の目を光らせることを外部は求めているのです。






6月決算の会社は今月が申告月ですね。
7月決算の会社は来月が申告月です。



さぁ、自社の数字が何を語っているのか・・・・。





よーーーーーっく“お二人”で語りあって見てはいかがでしょうか(^_^;)






さぁ、今日も頑張りましょう!!





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