2010年03月26日
『返済可能利益』

こんにちは。
鏡でございますm(__)m
1週間、早いですね~。
もう、金曜日が終わり明日は土曜日ですよ!
H22年もあと280日、稼働日数を月22日とすると、実働201日です。
201日しかないと思うか、201日もあると思うか・・・・。
思考を「見える化」して、更に行動に繋げ、計画と実績の差異の検証と分析し、その原因に対する対策を検討し、更にそれを実行していく・・・・・。
201日でそれをどれだけできるか・・・・。
このことへの意識集中ができているか。
当初立てた計画からブレてきていないか。
理念や数値計画を「見える化」すると、ブレそうになった時に、きちんと本来のコースに戻ることができますね。
これって、絶対に必要だと思います。
それは、「経営者は孤独だから」
誰も本当のことを教えてくれないから。
だから、自分で自分をコントロールできるように、自分の力で歩いていけるようなっておかないと!ですね。
自分の会社は、自分で守らないと!!
自分の会社の未来を他人に決めてもらうわけにはいきませんもん!!
ーーーーーと、いうことで、前フリが長くなりましたが、
自分の会社は自分で守るために、経営者が最低限知っておくべき財務経理のポイントをここで一つ。
今日は、『返済可能利益』です。
ここは、銀行さんも必ず見ますからね!!
要チェック!!!!!です。
経営分析の本とかでは、いろんな捉え方がありますが、
単純明快にご説明しようと思います。
これが答えではありませんのでご了承ください。
一つの見方になります。
ここでは、『本業の利益』を元に考えます。
まず、決算書を用意してください。
そして、「損益計算書」のページを見てください。
その中に、「営業利益」というのがあります。
そこを見てください。
金額はいくらになっていますか?
これが、『本業での利益』になりますので、よーーーく覚えておいてください!
その金額を何かにメモってください。
次に、「販売費及び一般管理費明細書」の中から「減価償却費」の金額がいくらなのか調べてください。
また、製造業や建設業などの業種の方は、「製造原価報告書」や「完成工事原価報告書」の中にも「減価償却費」があると思いますので、その金額も忘れないでメモにでも書きとめてください。
次に、また「損益計算書」のページに戻ります。
その中で、下の方に、「営業外費用」があります。
その中の、「支払利息」と「手形売却損(昔でいうと、「手形割引料」のことです)」がありますか?
「営業外費用」とは、主に金融費用になります。
融資を受けていない会社は、ここの数字は計上されていないかもしれません。
そのときは、ゼロ0です。
中には「雑損失」など計上されている場合もあるかもしれませんが、今回は、突発事項は除外して考えます。通常の本業のみの場合で考えますので、金額を押さえるのは、「支払利息」と「手形売却損」で結構です。
そうしたら、ここで一度整理します。
①営業利益=
②減価償却費=
③支払利息+手形売却損=
①+②-③=④
④はいくらになりました?
この金額が、帳簿上での『返済可能利益』になります。(本業での利益をベースにしています)
そして、これをどのように見るかといいますと・・・・。
無借金経営の方は、この『返済可能利益』は、「投資可能利益」に置き換えて考えてください。
ここで、いままでのことはちょっと横に置いといてください。
さて、銀行借入がある方は、その返済元金の返済資源がどこになるかわかりますか?
そうです。
「利益」です。
元金は、経費になりませんので、損益計算書上の経費の中には含まれておりません。
利息は経費になっています。
では、どこに含まれているのか・・・・。
それは、「営業利益」です。(あくまでも本業のみの利益をベースに考えます)
さてさて、皆さんの会社の借入金の年間返済元金額っていくらでしょうか?
これも、日頃から頭に入れておくべき数字(金額)ですので・・・。ちなみに・・・・。
では、ここで戻ります。
⑤年間返済元金額=
④と⑤の金額を見比べてください。
④>⑤になっていますか?
それとも、
④<⑤になっていますか?
前者の場合、返済金を賄う利益を本業できちんと賄えているということになります。
後者の場合、その逆で賄えていないということになります。
つまり、本業の利益で返せない→借りて返している
ということになります。
後者の要因は、
1、本業の利益率の低下(受注減、コスト高、粗利減など・・・)
2、銀行借入依存体質(経営課題に対する根本的解決策を図らず、安易に借入を利用して資金を繋いでいる)
があげられます。
なかなか厳しい表現の仕方で申し訳ありません(^_^;)
後者は、債務超過予備軍か若しくは既に債務超過に陥っている状態かもしれません。
そうなったら、銀行は融資をさせてくれません。
と、いうことは、「資金を繋げなくなる」ということになります。
ただ、これは、まだゆるい数字です。
だって、「納税」がありますよね。
上記の計算式の中には、「納税」を加味しておりません。
したがって、納税を加味してより現実に近い数値を出すとすると、
「当期利益(「損益計算書」の下から3番目ぐらいにあると思います)」+「減価償却費」=『当期の返済可能利益』となります。
この金額と、年間返済元金額を見比べてください。
どちらが多いですか?
年間返済元金額の方が多かった場合・・・、
前期よりも現預金が減ってませんか?
前期よりも借入金額が増えていたり、新たに借入が発生していませんか?
支払手形が増えていませんか?
手形の裏書や割引が増えていませんか?
未払金とくに代表者に対する給与未払い等が増えていませんか?
代表者からなど、個人やグループ企業からの借入金が増えていませんか?
グループ企業への未払いが増えていませんか?
資産売却や定期預金等の解約、投資資産の売却や解約が発生していませんか?
返済可能利益が足りていないとなると、どこかで必ずその埋め合わせをしなくてはなりません。
それが、「貸借対照表」に残骸?!となって残っています。
だから、銀行さんや投資家は、「貸借対照表」をしっかり見るんです。
どこに、自社の残骸があるかわかりますか?
また、「貸借対照表」は、株価や本当の自己資本額がわかるようになっているんです。
見る人が見れば、すぐにわかります。
勿論、銀行さんもその中に含まれていますので。
どこを見られているか、そしてどう思われているかわかりますか?
そこら辺のことは、またの機会に・・・。
ここで、考えていただきたいのは、
「本業の現状(本業の稼ぐ力)」と、自社の「資金の流れを知る」ということです。
「返済可能利益」が不足していた場合はどうするか?
1、利益を上げる(最低でも年間返済額以上に④がなるように)
2、返済額を減額する(思い切って返済元金を0ゼロにする!=棚上げor④以内で尚且つ利益の余裕ができるように減額する)
3、本業の利益以外でのお金をつくる
しかありません。
1は、コスト削減、粗利アップ(利益率のアップ・・・売上原価率のダウン、受注数のアップ)・・・そう簡単ではありませんね。
2はリスケをする→今がチャンスです!!モラトリアム法案を利用できるのは来年の3月までですので!!
※リスケを行うと、原則新規融資ができなくなると思っておいてください。
※本業での利益だけでやっていける状態をつくらないと、リスケしても資金ショートしてしまいます。
だから、この場合は「本気モード」で取り組まないと現実的に成り立たなくなってしまうので、
「覚悟」が必要になります。
※リスケをすることは、簡単に言うと、5年完済契約を6年にしたり7年にしたりというような手続き
になります。
そうすることで、月々の支払を抑え、本業の利益を改善した上で、借入依存体質から脱却する機会が
生まれることになります。(借りなくても資金を繋いでいける状態)
※リスケとは、借入返済条件を変更することです。
※リスケ期間中は新規融資はほとんど不可能と思われますが、リスケを終了し、通常の支払に条件を戻す
ことによってまた新規の融資が受けられるようになります。(勿論、その際の経営状態に依りま
すが)
3は、不動産を売却したり、有価証券を売却したりして、資金を作ることです。
ただし、これは一時的な切り札にしかなりません。
根本的な解決にはなりませんので・・・。
また、現実問題、不動産の場合は、売却に至るまでにかなりの期間がかかります。
だから早めに売りに出すなどしておかないと、いざ資金が必要だからといっても、あてにはできません
のでご注意ください。
とりあえず、おおまかなところでの手段をあげました。
もっと個別にいろんな対策があるかもしれませんが、大きく言えばこの3つだと思います。
2を利用するのは、苦しくなってからでは遅すぎます。
余裕があるうちに、将来の経営状況を見越して、借入しないでもすむ体質に改善することを目的になさる
ことをオススメします。
なぜならば、「改善にもお金がかかる」からです。
苦しくなって、2を利用しても、支払は止められるが、目先の運転資金や改善のための資金確保ができなくなり、結局は、体質改善できないまま資金ショートしてしまうからです。
本業の体質改善のために営業力をつけるにも、販促や人件費、教育費等にお金が必要です。新しいことを始めるのなら尚更資金は必要になります。
2を利用することで、返済するお金を、返済しないで、改善のため、営業力強化のためなどに使うということです。
その間、銀行さんに協力してもらう(待ってもらう)ということです。
更に借りて、月々の支払を増やし(利益ノルマを増やし)てどこまで改善ができるでしょうか。
本気で2に取り組んで、経営の体質改善が図れたら、間違いなく銀行さんからの信用度は高くなりますから!
だから、余裕があるうちでないと、現実的にそのレベルまで持っていけないんです。
今大切なのは、根本的な部分に目を向けるということです。
しかも、どんどん時間は経過しています。
その間、黙っていても資金はどんどん流出しています。
話が飛んだりしましたが、そもそも本業で「返済可能利益」を確保しているのだろうか、という自社の現状を知っていただきたいと思います。
わかられましたでしょうか?
よくわかられなかった方は是非当社の定例開催セミナーにご参加ください。
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経営者向け決算書の見方勉強会→http://www.seijitsu-k.jp/pdf/seijitu02.pdf
明日は、この↑セミナーを開催します。
わざわざ県外から参加される経営者さんもおられます。
先ずは、大まかな数字になじむことから!です。
長くなりました。
最後までお付き合いくださり有難うございましたm(__)m
Posted by せいじつ会計 at 20:36│Comments(0)
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