2010年09月16日

「差異」

「差異」


こんばんは。
鏡でございますm(__)m


今日は、ある会社の決算後の予算策定のための分析資料が完成したので、先方にお持ちして説明しました。


事前に、内部で作られた予算書をいただいていたのですが、どうも私なりに『現実的』でないと感じていたので、実際に細かく資料を作ったものです。

売上資料が2種類、粗利についての資料が1種類、固定費(私が言う固定費とは、キャッシュベースの固定費になります。)についての資料が1種類の計4種類の資料をつくりました。


作りながら、「これは!!!」と思いました。
案の定、完成後の数値にビックリひょえー


やっぱり!!!



先方が事前に立てた固定費の今期予算と、実際に細かく各勘定科目から拾った前期実績の数値に大きな『差異』がありました。
前期実績の固定費と先方で立てられた今期予算額には、とても現実的ではない数値の『差異』が出てきました。



そこには、2300万の『差異』がありました。
2億以下の売上高の中小企業において、固定費の差異が2300万って、あまりにも大きすぎます。


と、いうか、何を根拠に予算を立てられたのか・・・。



実際に予算を立てられた人は、日頃から全く数字を見ない幹部の方で、詳しい資料も何も見ず作られたみたいでした。
そして、その予算をもとに、資金繰り予算を立てようとされていました。
今週末にでも、その資料をもとに、銀行さんへ借換のお願いをされる予定でした。



私は、資料を完成させる頃に、先方の専務さんへ至急連絡をとり、資料をもって説明しに行きました。


で、専務さんに全て説明をし終わると、専務さんは愕然とされてしまいました。
(すみません、嫌なことを話して・・・)


あまりにも大きすぎる『差異』2300万・・・。
2300万をどう頑張っても1000万ぐらいしか圧縮することはできないということでした。
借換しても意味がない状態です。


幹部さんの数値に対する無頓着さに、専務さんも呆れ顔でした。




「数字は嘘をつかない」



人生と一緒で、経営で現れる数字は全て、過去にどのような行動をとったかの結果が現れてきます。
なので、今、数字に対して無頓着で大雑把な対応をしていると、将来に現れる数字がどうなるか・・・・。

言わなくてもわかりますよね。


この会社は、債務超過になる寸前の会社です。
売上はここ数年毎年下がってきています。
在庫も沢山抱えておられて、おそらく不良在庫化してきているようです。


だからこそ、私も本気でこの会社に向き合っています。
正直、今年が正念場だと思っています。


でも、ここでも『差異』があるんです。


経営陣の感覚と会社の数字との『差異』です。




実際の数字にピンときていないというか、信じられないという感じというか・・・。



実際に数字が改善するまでには、相当な「時間」がかかります。


売上はどんどん下がっている。
固定費は増えている。
待ちの商売をしている。
在庫が増えてきている。
売掛金の残高日数が増えてきている。
借入が増えてきている。



なりふりかまわず動かなくてはいけないのに。
即決即断、即行動をしていかなくてはならないのに。





誰も助けてはくれません。
誰もあてにできません。


なのに、周囲の人や環境に対する愚痴や不満ばかり。



自分の会社です。
自分達の会社です。


どうにかなるだろう・・・

どうにもなりません。
じっとしていても、何も変わりません。


悪くはなっても決して良くなりませんから。



なのに、どうしてこうも『差異』があるのか・・・・。


数字と経営者
数字と幹部
社員と経営者
お客と社員
お客と会社



いろんなところに『差異』があります。



ただ、数字の『差異』に関しては、会社の社命がかかってくるので、できる限り『差異』が少なくなるように、日頃から正しい数字と向き合っていただきたいと思います。



明日は、緊急会議となってしまいました。



「数字」だけでは経営はできませんが、しかし「数字」と経営を切り離すこともできません。
だから、しかたないんです。(諦めてください)
経営者たるもの、「数字」を嫌ってばかりもいられないのです。


「数字」を上手に捉えて活用しながら更に「数字」を作っていくことをやっていかないと、あっという間に足元が弱くなり、自力で立っていくことができなくなってきます。



「カネの切れ目が縁の切れ目」といわれますが、正に周囲(顧客、社員、取引先、銀行)がどんどん縁を切っていきますからね・・・。(沢山見てきました・・・)


そうならないよう、また、経営者自身の感覚と数字の『差異』を縮めていけるよう、これからも私自身、しっかりと、経営者の方々、幹部の方々へ「数字」を伝えていかなくては!と改めて思いました。













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Posted by せいじつ会計 at 23:30│Comments(0)経営
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